今日も快便!

快便こそ幸せ。

スピは怖いと思った話

ここ1年ほど、母の友人経由で或るスピリチュアル団体と関わらせていただく機会があった。

母の友人はいわゆるスピオタクで、占いやら水素風呂やらアロマオイルやらに散々傾倒した末にたどり着いたのがその団体(というかその団体を仕切る1人のヒーラー)だったそうだ。

 


当時具合の悪かった私を心配した母は自身の救いも求めて、友人の誘いに応じ、私をそのヒーラーの開く会合(講座というそうだ)に連れて行ったのである。


講座には私たち以外にも十数名が参加しており、皆熱心にリーダーの話を聞いていた。


しばらく観察していると、どうやらその団体には緩やかな階層が存在していることがわかってきた。


リーダーに近しい者たちはリーダーと同様にヒーラー的な能力(?)を彼から授けられており、他の者たちを癒すことができるそうだ。
その中でも特に母の友人はリーダーの側近的な存在であるようだった。


参加者たちは皆それぞれ複雑な事情を抱えてそこに集まってきいるのだそうで、元気のない私のことも暖かく受け入れ、慰めてくれた。


ヒーラーによる超非現実な内容の講義の後、他愛のない会話をし、美味しいものを食べ、講座は和やかに解散した。


民家に集まって話を聞き、お昼を食べるだけで1回1万円は多少高い気がしたが、それで心が癒されて気分が良くなるというのなら、まあ良いのかなと思った。

 


問題はその後である。

 


講座の連中と仲良くなった母はFacebookで彼らとつながり、コミュニケーションをとるようになった。


彼らの多くはFacebookに頻繁に書き込みをした。


取るに足らない日常の呟きからあまりにもプライベートな自分の病気の話まで、ありとあらゆる事柄を書き込み、内輪で馴れ合いを重ねて行く。


さらに彼らはリーダーを中心に次々に色々なイベントを企画し、Facebook内での勧誘を繰り返した。


それはどれもこれも決して安くはなく、簡単に行くなどと肯定できない値段のものばかりであった。


そうしたイベントや講座へのしつこい勧誘に「お金もないし…」と断り続けてきた母にある日側近の1人から驚きのメッセージが届いた。


「1ヶ月講座に出ない(=そのヒーラーに会わない)と軸がズレてきて波動が低くなるよ。」


「3ヶ月以上講座に参加しなかったらFacebookのグループからはいったん外します。」


なんだこの閉鎖的な集団は。
彼らの目的は自己を客観的に見つめなおしていくことにあったはずだ。


正直そんなことヒーラーに頼らずともできる。


なんだ軸って。
なんだ波動って。


彼らは「自分の軸で生きよ」という文句をよく謳っていた。


それなのにある特定の他人に会わないことで軸がズレるのか。


矛盾していないか、言っていることが。


ようするに高波動(ヒーリング能力が高い)とされるリーダーの側近たちは講座やイベントの参加によってリーダーにお金を貢ぎ、その地位を得ているのである。


コミットの薄い者は「波動が低い」とみなし、疑われる前に切る。


書いていていい加減バカらしくなってきたが、リーダーは本当に金儲けのことしか頭にないのである。


彼は少数精鋭の熱狂的な信者たちから大金を搾取していく。


私が参加した1万円の講座は、最初は5000円だったそうだ。


だんだんと料金をつりあげていき、途中で金が底をついた信者は「波動が低い」と容赦なく切り捨て、糸目をつけず貢ぐ信者には甘い言葉をかけ、洗脳して貢納の続く限り、自分の手元に側近として置いておくのである。


全く悪どい。
非常に極悪だ。


金の切れ目が縁の切れ目とばかりに信者を食い物にし、不要になれば排除するその魂胆が許せない。


彼のスピリチュアルな能力の真偽に関しては私には確かめる余地もないが、弱った心に付け入り、ペルソナをぶち壊し内面から支配していく洗脳の能力に関しては天才的なものだといえよう。


簡単に他人に自分を預けてはならない。
他人は容赦なく自分の弱みに付け込むのだ。


私は彼らのお陰で自分の軸で生きることの本当の大切さを知れた。